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ジェンダー・ギャップ革命

第2章 唾を吐く貧民

 
 女達がただ一方的に支持しただけで、えれんは独裁者ではない。

 確かに、男達は過酷な肉体労働職にしか就けず、問題があれば刑務所とは別の収容所に送られる。赤ん坊を身籠るための、肉体改造手術が施されるようにもなった。

 とは言え彼らとどう接するかは女達に任されているし、恋愛やその先に関しても、法は介入していない。

 日本は、自由国家だ。

 言論の自由も変わらず保証されていて、思い上がった街頭演説も健在している。


「皆さん、騙された振りはおよしなさい。「清愛の輪」は皆さんから巻き上げた税金を恐ろしいことに使っています。やつらにとって都合の悪い人間を放り込むために建設された収容所、神をも冒涜した実験、医療……おぞましい、許し難いですね。男性が迫害され、異性愛者という正常な人間が迫害されています。男性は男性であるだけで、あの団体は手当たり次第に理由をこじつけて、暴力を振るい、得体の知れない手術を施します。そして、卵を産む鶏のように、妊娠・出産を強制します。お母さん、お父さん、他人事ではありません。お父さん、税金、苦しいでしょう?神倉えれんの法案で、男性の納税額は、昨年の3倍に上がりました。女性は減税されたのにですよ。何より、貴方達は命の危険と隣り合わせです。貴方達の息子さんが捕まりますよ。貴方達も捕まりますよ。こんなことになったのは、貴方達がネットやニュースの情報を疑おうとしないからです。何でもかんでも人の言葉を鵜呑みにして、選挙に行かないからです。無関心はやめましょう。「清愛の輪」は皆さんの生活をおびやかしています。女性の皆さん、幸せとは何か、思い出して下さい。子供の頃、好きな男の子と話すだけで楽しかったでしょう。シンデレラや白雪姫に憧れて、いつか幸せな結婚をして、幸せな家庭を持ちたいと夢見たことがあるでしょう」…………

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