ジェンダー・ギャップ革命
第7章 愛慾という桎梏
間断ない愛撫に胸を大きく上下し出した愛津の背中に、織葉の片手が滑り込んだ。
乳房を整えていた下着の金具が外れた。
織葉は極薄のガラス細工でも扱う風に愛津に触れて、そのくせ無遠慮であるほど的確に、愛津の劣情を煽る。
淡い片想いの記憶なら、愛津にもある。しかし告白には至らなかった。
織葉はそうではないだろう。腰の奥までくすぐるキスや、手慣れた愛撫。無言の自信を感じる先導。…………
見えにくくなるのは惜しいけど、と前置きして一旦寝台を離れた織葉が明かりを消したのも、半身を露出した愛津を気遣っての行動だと思うと、胸がときめく。
「却って完璧に見えない方が、エロいこともあるからねー。ここ、可愛く勃ってきたね。さっきからひくひくしてて、無駄に意地悪したくなる」
「ゃッ……ぁんっ、過激じゃ、なぃ?んんゥッ!」
「十八禁なことする時は、当たり前だってば」
凄艶な言葉つきのささめきが、愛津の乳房の先端をいじる。一方は指に挟んで、もう一方は舌に転がして、織葉は愛津の褐色のコットンパールを、二つ同時に刺戟していた。
触れるか触れないかの加減の愛撫が、頂から麓へ這い下りて、愛津の腰へ迫る。くびれをなぞる彼女の手は、ボトムの薄布を往来して、愛津の太ももに滑り込んだ。
「はァッ、はぁ……ァッ、ああ……」
愛津の乳首を尖らせた織葉のキスが、みぞおちへ伝う。ちゅぷちゅぷと音を立てながら、ある種の拷問にも近い啄みが、愛津を撓らせる。