ジェンダー・ギャップ革命
第7章 愛慾という桎梏
「ゔっ……」
ありあが顔を歪めた。彼女の頬を涙が伝う。
同じだね、私達。好きな人と一緒になれなかった同士、可哀想だね。…………
「ありあちゃん……」
堰が切れたように泣くありあは、えみるに共感したらしかった。
女も男も関係ない、セクシャルなど血液型と同じく人間に備わる性質の一つに過ぎない。善悪や価値観や嗜好など、他人と他人が一致している方がどうかしている。
そんな理屈をよく並べていた彼女は、看守と咎人という立場の相違も、いつの間にか受け入れていたのか。
えみるは制服を床に落とした。しめやかな作り物の愉悦を浮かべたありあの視線が肌をしゃぶるのを感じながら、ブラジャーを外してパンティを下ろす。
ちゃらん……重々しい金属音に、ぞくりとした。
手錠を拾ったありあの片手がえみるの肩から腕を伝って、彼女の唇がうなじに触れた。
皮膚を通して、背骨を伝うキスのくすぐったさに腰を捻って、えみるは彼女の名前を呼ぶ。
ほどなくして、さっきの手錠がえみるの両手首を捕らえた。
ちゅ、ちゅ。…………
「ァッ……はぁっ、ぁぁ、ひゃっ……」
後方から乳房を揉みながら、ありあがえみるの鎖骨やもも、内股を撫でる。触れるか触れないかの力加減で膨らみをなぞったかと思えば、彼女の三分の二ほどの盛り上がりの白い肉を変形するほど強く掴んで、先端をいじくることもある。内股を彷徨っていたもう一方の手のひらが、恥丘に至った。束ねた指が割れ目へ下りて、また下腹へ上がる。おもむろに往復するそれが、おりふしクリトリスにこすれて、じりりとした刺戟を立たせる。