ジェンダー・ギャップ革命
第7章 愛慾という桎梏
「愛津ちゃんは、こういうの興味なさそう。でも織葉になら、されたい、なんて言うかしら」
バシィィィイイイッッ……
「っっ!!」
ヒュン、ベシッッッ!!
「あああっっ」
最初は何が起きたか分からなかった。
だが二度目の叱咤で、裏ももが、肉の割れるような激痛に震え上がった。
えれんの振り上げた革鞭は、宙を走る時の反作用を伴って、標的に至る瞬間には凶器になる。
三度、四度、と鞭が下りる。
同じ場所が打たれるほど、織葉の喉が条件反射的な呻吟を上げて、手首の鎖が鉄格子を鳴らす。鞭は臀部や背中も殴打した。時折、意識が薄らぐと、えれんが手を止めて、織葉の輪郭や鎖骨、乳房を撫でる。鞭をただ肌に当てて、蛇を這わせるのに似た所作で、胸囲をやんわり締めつけたりする。
「はぁ、は……アァっ……」
「シャワー、先に浴びておけば良かったわね。これはしみるわ……」
ビシィィィイイイ…………
「うゔッッ!!!」
ヒュン、バシィィィイイイッッ……
「あああ"あ"ァァッッ……」
何十という鞭打ちに耐える内に、織葉の身体は無謀な回避を試みなくなった。手枷が体重を持ち上げていなければ、無意識の生存本能も差し置いて、足場に崩れ落ちていただろう。