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ジェンダー・ギャップ革命

第8章 報復の権利



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 施設を囲って巡らされた柵の外に、人だかりが出来ていた。

 長い歴史の中、何度も施行されてはその時どきの道徳観念が潰えさせてきた公開処刑は、ここの設立と共に一部、復活した。
 女達に不利を招いたり、モラルに反したりした男達、彼らを擁護したりした女達は、秩序を乱したとして収容されて、更生が見込まれなければ処刑が決まる。そうして刑場に引きずり出されたとして、幸運にも責め苦に耐えきれば、通常の刑罰と違って、終身刑に変更される。存命の可能性もある分、一種の娯楽として見物に来る客は少なくなかった。

 全裸の女と、青い顔をして震えている看守。そして、この手の知識に明るい者なら震え上がるだろう残忍な器具。

 それらが揃っているだけで、物見客らは、学校や職場に遅刻する旨を連絡するだけの価値を見出す。


「スペインの蜘蛛。四本の鉤爪に乳房を挟んで、トングの要領で握力を加えれば、徐々に根本が引き裂けていって、最後には引きちぎれてしまう。性に関係した犯罪者に使用されていた拷問用具よ、貴女達にぴったりでしょう」

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