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ジェンダー・ギャップ革命

第8章 報復の権利



「えみるん」


 囁きをえみるにだけ聞かせるようにして、肩に、ありあが倒れかかってきた。


「呪わないから、楽に、させて……」

「そんなこと、……」

「きッ……つい、んだぁ。ここまで、しちゃったんだし、ね……?」


 皮膚を破ったスペインの蜘蛛は、ありあの乳房の大部分を貫通していた。肉感的に見せるための部位を除けば、彼女は無駄な肉付きがなく、えみるの制服を真っ赤に染めて、まだ意識があるのが不思議なくらいだ。

 えみるは、彼女に唇を重ねる。舌先でそれをこじ開けながら、左手で彼女の下半身を探る。

 柵外の野次も彼女に届かないほどの快楽を、与えてやる。…………

 えみるは友人の内股をまさぐりながら指先をクリトリスに近づけて、つついてこする。

 キスは、気持ち良い。しかし乳房にかかった負担は、先端を撫でると彼女の顔を歪めて、割れ目はいつまでも生理的反応をきたさない。


「はぁ、はぁ……」

「ん、ありあちゃん……ありあちゃん……」


 早くしろ、と、看守達がえみるを催促し出した。

 無理もない。性器を痛ぶる拷問は、ほぐさず異物をねじ込むのが定石だ。


「アリアちゃん濡れないの?」

「俺が指名した時は、秒だったぜ」

「年かぁ?でも見ろよ、あの看守、テクあんじゃね?アリアちゃん、顔はアヘってる」

「さっさとぶっ込めー!」


 やはり男は害悪だ。

 えみるは、ありあの内股を押し広げながら、おぞましさに吐き気がした。

 昔とは言え、一度でも接点を持った女の瀕死を目前にして、あの集団は、まだ自身の興奮への欲望しか頭にない。

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