ジェンダー・ギャップ革命
第1章 逆襲の女と家畜の男
ありあは男のペニスをしごいて、勃起させた。唇と歯とに耳を挟んで、聴覚を秘めた穴を舌先でくすぐりながら、淫らな罵声を注ぎ込む。男があまりに行儀悪く歓喜すれば、尻や内股をペチン……と打つ。すると男は折檻を受けた自覚も持てず、恍惚とした目でよだれを垂らす。
「ありあ様……あッあん!幸せですゥゥ……虚偽の確定申告を出してしまい……畜生の分際で、もッ……ァッあッあんっ、申し訳、ございませェェん……ッッ、っこのどうしようもない畜生をッッ、厳しくお叱りくらさァッ、ヒ……ッ!!…………」
…──これでは体罰になっていない。
ありあは、また月村の小言を聞く羽目になるのだと思うと、今から気の滅入る思いがした。
男の体勢を仰向けに変えた。赤黒く滾ったペニスは、ビィンと上を向いていた。等間隔に輪ゴムを嵌めると、腐ったボンレスハムを想起する見た目になった。高野豆腐に艶を与えた色の肌にぽつんと聳える乳首には、ステンレスの洗濯バサミ。それごと握って左右上下に動かすと、男は涙を流して喘ぐ。
こうも快楽の亡者となった男でも、外の世界に残してきた気がかりを一つ、初めての看守に訴えた。
「脱税を試みたのは、今年小学校に上がったばかりの娘と、家内のためです。俺は、ちゃんと女性に尽くしていました。俺の生活はどうなっても構いません、どうか家内と娘だけは──…」
ビシィィィィ…………
ありあの鞭が、男の話を打ち切った。折檻を振り下ろしたのは、今度は足場ではない。男の肌だ。