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ジェンダー・ギャップ革命

第2章 唾を吐く貧民



「男性は、無職でも納税義務がある。当然、払っているのはお母さんでしょ。そういう女性がいることを、神倉さん達も問題視していて、調整を検討なさっているわ。悪いけどもう少し待っていて」

「それだけじゃないわ、お母さん、今日ね、仕事を急にお休みしたの。何でか分かる?ふっ……と、やる気を失くしてね。働いているのが馬鹿らしくなったの。お母さん、毎月、全額あの人に渡しているじゃない?破れたって下着も変えず、バッグもほら、底、抜けたところ縫って使ってるの。働いているお母さんがよ?それなのにあの人は家事もしないで、手伝うとすれば買い出しと料理だけ。皿洗いは溜めておくくせに。その買い出しだって、私達の食糧や日用品なのに、いくらだったって、私にお金を請求するの。それでこの前、私がお父さんの洗剤を買って帰った時ね、いくらだったって冗談で言ってやったら、あの豚、自分は調理しかしていない夕飯を、次から請求すれば良いんだなって言ってきて……」


 母親の鬱屈は、ひとたび彼女の言葉になると、堰を切ったように溢れ出す。


 愛津が実家にいた時からこうだった。

 彼女に否はない、だが父親はその正論を向けられれば聞き分けのない幼児のように拗ねて、彼女も話し合いを放棄している。

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