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ジェンダー・ギャップ革命

第3章 道理に適った少子化対策


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 月村が幹事を務める飲み会で、えみるはもなの下で働く研究員達から昼間の彼女の話を聞かされて、笑いが止まらなくなった。


 もなは秀才だが、結婚相手に恵まれなかった。

 もとよりパートナーに男を選んだ時点で博打だ。案の定、彼女はベビーハラスメントに苦悩して、今日やっと、元配偶者と舅を制裁した。


「制裁なんて、苫坂さん。人聞きが悪いわ。私は送られてきたマテリアルで、いつも通り赤ん坊を首尾しただけ」

「はーい、分かってまーす。でもペニスちょん切ったんでしょ、泣き喚く二人の。人為出産って面白いなぁ、さんざん厚顔に振る舞ってきた野郎達が、皇さん達に玩具にされて、挙げ句、半永久に子作りさせられるなんて。久城さんの元身内じゃなくても、愉快ですよ。男はみじめにヒィヒィ泣くのが分相応です」


 えみる達が夕餉の食卓を囲っているのは、繁華街にあるダイニングバーのオープン席だ。

 ひと昔前なら、曲がりなりにも政党役員が、公務の話で面白可笑しく盛り上がったり、市民の処罰に私的な感情を持ち込んだりしていれば、非難の的になっていたろう。しかし周囲の客は女ばかりで、時折、好奇を含んだ視線が向けられてくるのを除いて、えみる達は黙認されている。

 それだけ男に思うところのあった女が多かったのだ。

 もとより久城の人為出産は、場合によって、男達も救われている。

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