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ジェンダー・ギャップ革命

第3章 道理に適った少子化対策


「視野の狭い……!貴方の秘書を務めていた頃、私がどれだけ腹を立てていたか分かります?貴方が接待なさる時、私はお酌を強いられました。貴方達の下品な軽口に、屈辱的な思いをしても笑っていたのは、仕事だったからです。貴方は配偶者がありながら、別邸に女性を囲っていますね。異なる性別の人間同士が助け合いだの愛だので、共存しているかたちがそれですか?異性間での結婚、出産が低減したのは、お金の問題に限りません。ライフスタイル、健康上の問題、セクシャル……人には人の事情があります。それが貴方達の結婚補助金だの育児支援金だののせいで、赤字の自治体に補う予算が削られました。そこで貴方達が検討したのは、消費税の引き上げ、独身税です。そんな的外れな経済対策を阻止して、私は国民を救ったようなものです。女性を馬鹿にした支援制度は保持していますし、加えて、人為出産を進めて、少子化問題もまもなく解決します。今後、女性が国の支援に頼って男と家庭を築くか、科学に任せて自由を選ぶか、見ものです。貴方達男性は、女性が産めば、子供は増えると考えていた。視点を変えれば済むことです。貴方達が産んでも、子供は増えます」

「くっ……この……国民は今に目が覚める、その時、お前こそ豚箱送りだ!


 しゃがれた声でがなり立てると、ようやっと重光は、鼻を鳴らしながら出ていった。

 僅か十数分で疲弊したのが目に見えて分かるえれんがデスクに戻ると、織葉が彼女に茶を汲んだ。

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