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ジェンダー・ギャップ革命

第3章 道理に適った少子化対策



 えれんが男達を断罪するのも、彼らの出産を促進するのも、彼らの罪過を精算させているだけだ。

 かつて男達に頼らなければならなかったえれんの弱みにつけ込んだ、大越湊斗も、久城の研究所のケージで、今で六ヶ月を迎えている頃だ。腹の胎児も健康に育っているだろう。


 半年前、手術の決まった大越は、外回りで立ち寄った織葉と面会して、彼女に助けを乞ったらしい。

 めでたい男だ。

 三十四年、織葉はえれんが手塩にかけて、理想そのものに育て上げた。彼女のたゆみない篤実さも、女達の目を惹き足を止めるだけの容姿も、神倉織葉という偶像を、えれんが成形した結実だ。

 織葉はえれんを慕って、従って、愛するように生かされている。

 えれんが花盛りを過ぎるや、家庭も顧みないで仕事に忙殺されていた男の命乞いになど、彼女がとりあう由もなかった。







第3章 道理に適った少子化対策──完──

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