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ジェンダー・ギャップ革命

第4章 享楽と堕落の恋人達



「私からすれば、あの人達こそ奇天烈で、可哀想。理解なんて出来ないよ。英真のことだって理解出来ないのに」

「えっ」

「仕方ないと思うんだ。人は自分自身にしかなれない。他人を理解したつもりになった時点で、それはもう誤解も同じ。でも私が好きになるのは女子だけで、英真と逢う前、たくさん遊んで楽しかった。英真一筋になってからは、幸せ。差別なんか受けたことないよ。私ってカッコイイじゃない?甘えられることが多かったくらい。その上、後輩に勉強教えろってせがまれたくらい頭良かったし、あ、そうだ、内定、五社もらったよ。どこが良いか相談乗って」


 つまり当時まだ大学四回生だったしづやは、少なくとも高いステイタスの持ち主で、本人にも自覚があった。英真も大物の両親が後ろ盾にいて、幼い頃から、持ち上げられてきた記憶が強い。英真自身の努力で得た地位でなかったとしても、それはこれから積んでいく。大学を出て、実家の離れでピアノや絵を教える講師を始めた英真には、将来、起業する選択肢も出来た。

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