
胡蝶の夢~私の最愛~⑪【夢路・ゆめじ】
第24章 再会
確かな根拠があるわけではななったけれど、泉水はそんな気がしてならなかった。
「庵主さま―」
泉水は慌てて布団から身を起こそうとする。光照がそれを手で制した。
「良いのです、そのままに」
光照が微笑んだ。
「身体をいとうて、良い子を生むのですよ。私も孫が産まれると思うて、愉しみにしているのですからね」
その言葉に、泉水にも熱いものが込み上げる。光照の手がそっと泉水の髪を撫でた。その手のやわらかで優しい感触は、乳母時橋を思い出させる。泉水はたまらず、声を殺して泣いた。
「庵主さま―」
泉水は慌てて布団から身を起こそうとする。光照がそれを手で制した。
「良いのです、そのままに」
光照が微笑んだ。
「身体をいとうて、良い子を生むのですよ。私も孫が産まれると思うて、愉しみにしているのですからね」
その言葉に、泉水にも熱いものが込み上げる。光照の手がそっと泉水の髪を撫でた。その手のやわらかで優しい感触は、乳母時橋を思い出させる。泉水はたまらず、声を殺して泣いた。
