天空(そら)に咲く花~あのひとに届くまで~
第5章 母子草
今回のことは、八重も反省していた。大切な嫡子にお仕えする我が身の自覚が足りなかった―と真摯に受け止めている。
「さりながら、八重」
まだ何か言いたそうにした清冶郞がハッと黙った。
八重の眼に光る涙を見たのだ。
「八重―。私は、八重を泣かせるようなことをしてしもうたのだな」
刹那、清冶郞が八重の胸に飛び込んできた。
「八重、済まぬ。私が子どもすぎた。今後は今少し、自分の立場を考えて行動する。だから、出ていくなぞとはもう二度と言わないでくれ。八重がいなくなったら、私は、私は―、どうしたら良いか判らない」
清冶郞がわんわんと声を上げて泣きじゃくった。八重は愕いて、清冶郞を抱き止める。
「清冶郞さま」
「さりながら、八重」
まだ何か言いたそうにした清冶郞がハッと黙った。
八重の眼に光る涙を見たのだ。
「八重―。私は、八重を泣かせるようなことをしてしもうたのだな」
刹那、清冶郞が八重の胸に飛び込んできた。
「八重、済まぬ。私が子どもすぎた。今後は今少し、自分の立場を考えて行動する。だから、出ていくなぞとはもう二度と言わないでくれ。八重がいなくなったら、私は、私は―、どうしたら良いか判らない」
清冶郞がわんわんと声を上げて泣きじゃくった。八重は愕いて、清冶郞を抱き止める。
「清冶郞さま」