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天空(そら)に咲く花~あのひとに届くまで~

第11章 秘密

 嘉亨の気持ちを考えもしないで、自分のことばかりに気を取られて。きっと、真っ先に昨日賜った花のことを話題にして、お礼を申し上げるべきだっのだ。そうしていれば、もしかしたら、嘉亨もあそこまで苛立つことはなかっただろう。
 こんなに好きなのに、初めて愛した男(ひと)なのに。どうしてだか、この頃、すれ違いばかりだ。
 可憐な花の黄色が、八重の眼に滲んだ。

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