天空(そら)に咲く花~あのひとに届くまで~
第4章 第二話〝茜空〟・友達
「若君さまはお身体が弱いの。それで、気弱になっていたようだから、少しでも元気が出れば良いなと思って、つい口から出任せを言っちまったのよ」
「良いんじゃない? それで、あの子が勇気づけられるのであれば、嘘だって本当にしちまえば良いのよ。それにしても、お弥栄ちゃんも大変ねぇ。御殿奉公っていうから、さぞかし華やかな暮らしをしてるんだとばかり思ってたけど、あの若君さまのお守りがお役目っていうんじゃあ、やっぱり、子守奉公みたいなものね。お弥栄ちゃん、何か悩み事があるようだけど、困ったことになったら、いつでも相談に来てよ?」
お智は、八重の中に潜む想いに気付いている。だからこそ、苦しい恋をしているのではないかと、心配しているのだ。
「良いんじゃない? それで、あの子が勇気づけられるのであれば、嘘だって本当にしちまえば良いのよ。それにしても、お弥栄ちゃんも大変ねぇ。御殿奉公っていうから、さぞかし華やかな暮らしをしてるんだとばかり思ってたけど、あの若君さまのお守りがお役目っていうんじゃあ、やっぱり、子守奉公みたいなものね。お弥栄ちゃん、何か悩み事があるようだけど、困ったことになったら、いつでも相談に来てよ?」
お智は、八重の中に潜む想いに気付いている。だからこそ、苦しい恋をしているのではないかと、心配しているのだ。