
月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第5章 永遠の別離
光王はそれを見て、かすかに眼を細めたものの、何も言わなかった。勘の良い彼のことだ、何も聞かずとも、そのロザリオがそも誰の形見かはすぐに察しただろう。
香花は今は本当に明善の遺品となってしまったロザリオを頬に押し当て、身を揉んで泣いた。
涙を堪えながら、ロザリオを首に掛ける。
そのまま両手を組んで、宮殿の方向に向かって拝礼を行った。宮殿前の広場で処刑された最愛の男に最後の別れを告げたのだった。
光王は何も言わず、ずっと香花の傍に付いていてくれた。
香花は今は本当に明善の遺品となってしまったロザリオを頬に押し当て、身を揉んで泣いた。
涙を堪えながら、ロザリオを首に掛ける。
そのまま両手を組んで、宮殿の方向に向かって拝礼を行った。宮殿前の広場で処刑された最愛の男に最後の別れを告げたのだった。
光王は何も言わず、ずっと香花の傍に付いていてくれた。
