月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第6章 第2話【燕の歌~Swallow song】・新しい町
「何だよ、お前だって、その同じ良い身分の一人じゃねえか」
一人が言い、ジャンインも頭をかいた。
「違えねえ」
ジャンインが座ると、男たちは〝ちっ、狭くなるな〟とぼやきつつも、脇に寄り、ジャンインの座る場所を作ってやる。
「酒でも呑んでねえと、やってられねえよ」
一人が言うと、口々に〝そうだ、そうだ〟と声が上がる。
「それはそうと、今し方の若えのは、見かけねえ奴だな。男の方もさぞかし女にモテるだろうご面相だが、女の方もえらい別嬪だな。使道の奴に見つかっちまったら、すぐに屋敷に引きずり込まれるぜ」
一人が言い、ジャンインも頭をかいた。
「違えねえ」
ジャンインが座ると、男たちは〝ちっ、狭くなるな〟とぼやきつつも、脇に寄り、ジャンインの座る場所を作ってやる。
「酒でも呑んでねえと、やってられねえよ」
一人が言うと、口々に〝そうだ、そうだ〟と声が上がる。
「それはそうと、今し方の若えのは、見かけねえ奴だな。男の方もさぞかし女にモテるだろうご面相だが、女の方もえらい別嬪だな。使道の奴に見つかっちまったら、すぐに屋敷に引きずり込まれるぜ」