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　しかし、ミリョンが似ているのは外見だけだ。香花と清花が似ているのは、むしろ外見ではなく、中身の方である。大人しやかで儚げな少女の癖に、一度決めたら、己れの意思を最後まで貫こうとする。
　自分の身の危険よりも他人を案ずる優しさも、だからこそ放っておけないと思ってしまう保護欲をかき立てるところまでも似ている。
　どうして、あんな心ない科白を口走ってしまったのか。
　光王は長い指で乱れた前髪をかき上げる。
　馬鹿だ、自分は、どうしようもない大馬鹿だ。
　香花が明善を忘れられるまで、自分の方を振り向くまでは辛抱強く待つつもりだというのに、今からこの有様では先が思いやられる。
　いっそのこと、この胸の想いを香花に打ち明けてしまおうかとも考え、光王は逸る己れの心を自分で嘲笑った。
　そんなことをしてしまえば、あの娘はすぐにでも荷物をまとめて、この家を出てゆくに違いない。それが判っているからこそ、彼は、ともすれば溢れ出しそうになる恋情を必死で抑え、ひた隠しているのだ。