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月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】

第11章 謎の女

 たとえ、どのような形でも良いから、あの娘の傍にいたいと願う気持ちはけして嘘ではない。今、焦って想いを伝えて、あの娘が去ってしまうよりは、たとえ心は苦しくとも、想いは胸に秘め、あの娘の笑顔をいつも見ていたい。
―俺は、こんなにもこらえ性のない男だったんだな。
 光王は年甲斐もなく香花に酷い台詞を投げつけてしまった後悔に苛まれていた。

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