月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第12章 半月
香花はムッとして光王を挑むように見上げた。
「私はあなたの所有物じゃありませんからね。どうして、そこまで光王に行動の自由を制限されなければならないの?」
香花は断じると、景福に声をかける。
「さ、こんな判らず屋なんて相手にしないで、さっさと昌福を見つけに行きましょう」
「なっ、誰が判らず屋だと?」
光王の美しい顔が引きつる。
景福が傍らで急に始まった二人の喧嘩を愕いたように眺めていた。
「判らず屋を判らず屋と呼んで、何がおかしいのよ」
香花がプイとそっぽを向くと、光王がわざとらしい溜息を吐いた。
「全く、話にならないな。どうせ言い聞かせたって聞きっこないからな、うちの騒馬は」
光王は仏頂面で呟き、頷いた。
「良いよ、どうせなら、俺も手伝ってやる。お前一人で行かせるよりは一緒にいた方がまだ安心できるからな」
「ありがとう、光王!」
花がほころぶような笑顔を見せ、香花が光王に飛びつく。途端に、光王の整った面輪が柄にもなく紅くなった。
「私はあなたの所有物じゃありませんからね。どうして、そこまで光王に行動の自由を制限されなければならないの?」
香花は断じると、景福に声をかける。
「さ、こんな判らず屋なんて相手にしないで、さっさと昌福を見つけに行きましょう」
「なっ、誰が判らず屋だと?」
光王の美しい顔が引きつる。
景福が傍らで急に始まった二人の喧嘩を愕いたように眺めていた。
「判らず屋を判らず屋と呼んで、何がおかしいのよ」
香花がプイとそっぽを向くと、光王がわざとらしい溜息を吐いた。
「全く、話にならないな。どうせ言い聞かせたって聞きっこないからな、うちの騒馬は」
光王は仏頂面で呟き、頷いた。
「良いよ、どうせなら、俺も手伝ってやる。お前一人で行かせるよりは一緒にいた方がまだ安心できるからな」
「ありがとう、光王!」
花がほころぶような笑顔を見せ、香花が光王に飛びつく。途端に、光王の整った面輪が柄にもなく紅くなった。