月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第15章 不幸な母
「光王っ」
香花は真っ赤になった。
「光王が別に他の女のひとと何をしても、私には関係ないでしょ。浮気っていうのは、つまり、その夫婦とか恋人とか―特定の決まった人がいるのに、誰か別の人と―」
思わず口ごもる香花に、光王がずいと身を乗り出してきた。
「幾ら俺に学がないからって、浮気の講釈までしてくれなくても良い。香花、俺はお前の何だ?」
「え、ええっ?」
自分でもみっともないと思いつつ、思わず声が裏返ってしまう。
「俺はお前の一体、何なんだ?」
光王の綺麗すぎる顔が間近に迫り、香花は逃げ腰になる。
「都合の良い同居人か、それとも、相も変わらず喧嘩友達の延長のようなお兄ちゃんか?」
香花は我知らず両眼をギュッと瞑った。
「別に私は、そんな意味で言ったんじゃ―」
「俺はお前を生涯でただ一人の女だと思ってるのに、肝心のお前は俺がどこで何をしようと平気だと?」
香花は真っ赤になった。
「光王が別に他の女のひとと何をしても、私には関係ないでしょ。浮気っていうのは、つまり、その夫婦とか恋人とか―特定の決まった人がいるのに、誰か別の人と―」
思わず口ごもる香花に、光王がずいと身を乗り出してきた。
「幾ら俺に学がないからって、浮気の講釈までしてくれなくても良い。香花、俺はお前の何だ?」
「え、ええっ?」
自分でもみっともないと思いつつ、思わず声が裏返ってしまう。
「俺はお前の一体、何なんだ?」
光王の綺麗すぎる顔が間近に迫り、香花は逃げ腰になる。
「都合の良い同居人か、それとも、相も変わらず喧嘩友達の延長のようなお兄ちゃんか?」
香花は我知らず両眼をギュッと瞑った。
「別に私は、そんな意味で言ったんじゃ―」
「俺はお前を生涯でただ一人の女だと思ってるのに、肝心のお前は俺がどこで何をしようと平気だと?」