月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第15章 不幸な母
「香花は訝しく思いながらも、両手を伸ばし自分も光王の逞しい身体を抱きしめた。小柄な香花では、どうしても光王を見上げる形になってしまうが、爪先立って光王の端整な面を見つめる。
「だって、私は光王を大好きだもの。私のいる場所は光王の側にしかないんだもの。だから、光王も私を好きでいてくれると知った時、私はずっとあなたの側にいると決めたの」
ありったけの想いを込めて見上げると、光王は片膝をつき、その場に跪く格好になった。眼を軽く閉じ、チョゴリ越しに鼻を彼女の乳房に押しつける。
香花が狼狽え逃れようとするのに、光王はすかさずその小さな身体に回した両手に力を込めた。
「そこまで言うのなら、香花、今ここで俺のものになってくれないか?」
「えっ」
香花の眼が大きく見開かれる。
「俺はもう待ちたくない。判るだろう? 俺だって男だ。お前と夜毎、同じ屋根の下で眠りながら、何もしないでいるというのは、ちょっとな。俺にお前を信じさせてくれるというのなら、香花、今夜、お前を抱いても良いはずだ」
「だって、私は光王を大好きだもの。私のいる場所は光王の側にしかないんだもの。だから、光王も私を好きでいてくれると知った時、私はずっとあなたの側にいると決めたの」
ありったけの想いを込めて見上げると、光王は片膝をつき、その場に跪く格好になった。眼を軽く閉じ、チョゴリ越しに鼻を彼女の乳房に押しつける。
香花が狼狽え逃れようとするのに、光王はすかさずその小さな身体に回した両手に力を込めた。
「そこまで言うのなら、香花、今ここで俺のものになってくれないか?」
「えっ」
香花の眼が大きく見開かれる。
「俺はもう待ちたくない。判るだろう? 俺だって男だ。お前と夜毎、同じ屋根の下で眠りながら、何もしないでいるというのは、ちょっとな。俺にお前を信じさせてくれるというのなら、香花、今夜、お前を抱いても良いはずだ」