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「―旦那さま」
　理蓮は良人を潤んだ眼で見つめた。
　この花が咲き続ける限り、素花は幾度でも生まれ変わって生き続ける。
　可憐な乙女を思わせるその花の名はユン素花。
　ちなみに、朝鮮王朝後期、新種のこの薔薇の花を発見し、命名したのはユン氏夫妻である。夫妻は十八歳で夭折した愛娘の名をこの花に託したのだった。