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「そんなに騒馬がいやだっていうんなら、静馬ってのは、どうだ？」
　光王の声に、香花は現実に引き戻される。
「えっ、何ですって」
　思わず訊き返した香花に向かい、光王がにんまりと笑う。
「だって騒がしいっていうのがいやなんだろう？　なら、もう静かなっていうのをつけるしかないじゃないか」
　つい、〝そうね〟と頷きかけ、香花は拳を握りしめる。
「だから、どうして私が馬なのよ～」
「おお、怖ェ。怖ェ。気に入らねえと、すぐにこれだ、すぐに手を振り上げるんだからな、この暴力女。お前のようなじゃじゃ馬は、やっぱり馬しかないだろ？」
　光王がおどけて首をすくめ、怖がって見せる。