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　が、今日のような話をふられたのは初めてのことだ。
―私と光王が兄妹に見えない―？
　考えてみれば、以前にもそんなことを言われた記憶がある。そう、あれは旅芸人の少年景(キヨン)福(ボク)が言ったのだ。
―光王が香花の兄さんじゃないことくらい、僕にだって判るよ。傍で見てれば、二人が想い人同士だってことなんて、すぐ判ったもの。
　町に住んでいた両班宋与徹(ソンヨチヨル)が景福の弟、幼い昌(チヤン)福(ボク)を攫って陵辱した挙げ句、殺すという痛ましい事件が起こったのは去年のことだ。その時、ひそかに香花に想いを寄せていたらしい景福が別れ際、香花にそう言ったのである。
　それにしても、我ながら、何と迂闊だったのだろう。自分たちの姿が周囲にどう映じているかなどと、香花はおよそ考えてみたこともなかった。