
月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第18章 第5話【半月】・疑惑
香花はシニョンの隣に座り、特製のお茶を飲みながら、先刻の内儀の話を語った。
シニョンは余分な話は何もせず、黙って耳を傾ける。
「ねえ、お爺ちゃん。やっぱり、私だけが気付かなかったのかしら。私とお兄ちゃんはそんな風に皆の眼に映っていたのかな」
〝あのお喋り女め〟とシニョンは毒づきながらも、眼を細めて香花を見つめた。
「まあ、グムチョンの言っていたことは、嘘ではなかろうよ」
遠回しな言い方ではあるが、つまり、内儀の話はそのとおりだということである。
「やっぱり、そうなんだ」
香花はうつむくと、か細い声で呟く。
「今更、こんなことを聞いて落ち込んでるなんて、馬鹿みたいよね、私」
言っている傍から、涙が溢れてくる。思わず嗚咽が洩れそうになり、傍らのシニョンが愕いたように細い眼を瞠った。
シニョンは余分な話は何もせず、黙って耳を傾ける。
「ねえ、お爺ちゃん。やっぱり、私だけが気付かなかったのかしら。私とお兄ちゃんはそんな風に皆の眼に映っていたのかな」
〝あのお喋り女め〟とシニョンは毒づきながらも、眼を細めて香花を見つめた。
「まあ、グムチョンの言っていたことは、嘘ではなかろうよ」
遠回しな言い方ではあるが、つまり、内儀の話はそのとおりだということである。
「やっぱり、そうなんだ」
香花はうつむくと、か細い声で呟く。
「今更、こんなことを聞いて落ち込んでるなんて、馬鹿みたいよね、私」
言っている傍から、涙が溢れてくる。思わず嗚咽が洩れそうになり、傍らのシニョンが愕いたように細い眼を瞠った。
