
月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第18章 第5話【半月】・疑惑
光王自身がそのことに気付き、長年苦楽を共にしてきた仲間たちに事を分けて話し、盗賊集団〝光の王〟を解散したのである。仲間が大切だからこそ、いつまでも盗っ人稼業ばかりをさせてはいられない、まだ引き返せる中に、真っ当な世界へ戻し、陽の当たる道を歩かせてやりたい―、それが光王の本音だった。
都の役人たちも愚か者ばかりではない。仮にいつか捕らえられた時、首領である自分はまだ良いとしても、〝光の王〟の手下たちまでもが斬首刑に処されてしまうことになれば、自分は悔やんでも悔やみ切れないだろう。光王には、そんな気持ちがあった。
むろん、光王はそこまで香花に語りはしなかったけれど、香花はあのひと言だけで、彼の真意を理解できた。自らのことも含め、仲間たちのゆく末をも考えた上で、彼は〝光の王〟を解散し、〝義賊光王〟であることを止めたのだ。
都の役人たちも愚か者ばかりではない。仮にいつか捕らえられた時、首領である自分はまだ良いとしても、〝光の王〟の手下たちまでもが斬首刑に処されてしまうことになれば、自分は悔やんでも悔やみ切れないだろう。光王には、そんな気持ちがあった。
むろん、光王はそこまで香花に語りはしなかったけれど、香花はあのひと言だけで、彼の真意を理解できた。自らのことも含め、仲間たちのゆく末をも考えた上で、彼は〝光の王〟を解散し、〝義賊光王〟であることを止めたのだ。
