月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第19章 訪問者
眼鼻立ちが似通っているのはもちろんだが、二人の与える印象が酷似しているのだ。静謐さの中に潜む確かな存在感とでもいえば良いのだろうか、ひっそりと静まり返っていながらも、相手に圧倒的な存在感を与えるところは、二人ともに怖ろしいほど似ている。
家に案内された男は初め、物珍しげにキョロキョロと家の中を見回していたが、それも不思議と不快な印象は与えなかった。
香花が出した白湯を美味そうに呑み、男は漸くひと心地ついたようだ。
「不躾なことを訊ねるが、そなたは光王とは、どのような関係なのであろうか」
流石に、その問いには即座には応えられず、香花は小首を傾げた。
沈黙を守る香花をじいっと見つめ、男の方が話し出す。
「私が町で耳にした限りでは、そなたたちは兄妹だと名乗っているそうだが―」
家に案内された男は初め、物珍しげにキョロキョロと家の中を見回していたが、それも不思議と不快な印象は与えなかった。
香花が出した白湯を美味そうに呑み、男は漸くひと心地ついたようだ。
「不躾なことを訊ねるが、そなたは光王とは、どのような関係なのであろうか」
流石に、その問いには即座には応えられず、香花は小首を傾げた。
沈黙を守る香花をじいっと見つめ、男の方が話し出す。
「私が町で耳にした限りでは、そなたたちは兄妹だと名乗っているそうだが―」