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月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】

第19章 訪問者

 光王が小さく幾度も頷いた。
「そうだ。あいつら両班は何でも命令すれば、自分らの思いどおりになると思ってやがる。貧乏暮らしに辟易してる俺が帰ってこいと言われて、歓んで尻尾を振って戻ってくる―、あの野郎はそう思ってたんだ。だが、今更、気取り返った糞野郎どもの仲間入りなんて、俺は死んでもご免だぜ。あいつらは貧しい民衆から搾り取ることしか頭にねえ、鬼畜のような野郎ばかりだ」

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