月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第20章 父と子
「じゃあ、さっきの歌を教えて」
はっ? と、光王が虚を突かれたような顔になる。
「歌? 歌って、お前―」
漸く自分の方を向いた香花に思わず安堵の表情を浮かべながらも、光王は当惑を隠せないようだ。
「だから、歌よ。さっき、光王が歌ってたでしょ」
「ああ、あの歌か」
光王は漸く納得したように頷いた。
「何だか、とても哀しい歌ね。遠くて、よくは聞き取れなかったけれど」
香花が正直な感想を話すと、光王は微笑した。
「あれは童歌(わらべうた)だよ」
「童歌?」
意外だった。あんなに切なげな、心の奥底を揺さぶるような淋しげな旋律が童歌だったとは。
はっ? と、光王が虚を突かれたような顔になる。
「歌? 歌って、お前―」
漸く自分の方を向いた香花に思わず安堵の表情を浮かべながらも、光王は当惑を隠せないようだ。
「だから、歌よ。さっき、光王が歌ってたでしょ」
「ああ、あの歌か」
光王は漸く納得したように頷いた。
「何だか、とても哀しい歌ね。遠くて、よくは聞き取れなかったけれど」
香花が正直な感想を話すと、光王は微笑した。
「あれは童歌(わらべうた)だよ」
「童歌?」
意外だった。あんなに切なげな、心の奥底を揺さぶるような淋しげな旋律が童歌だったとは。