月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第21章 月下にひらく花
その後で、照れたように肩を竦める。
「ま、言うほど容易くはないだろうがな」
香花は微笑んだ。
「あなたなら、きっとできるわ。何しろ、あなたは〝光王〟なんだもの」
確かに口にするほど簡単なことではない。しかし、この男なら、やり遂げても不思議はないだろうと思う。これまででも不屈の意思の力で、不可能を可能に変えて生きてきた男、かつては〝天下の大盗賊〟と謳われ、闇の世界を牛耳っていた男だ。
今、光王は人生の中の一つの大きな転換期に来ているともいえる。
その一方で、香花は、光王の心の変化が嬉しくもあり、淋しくもあった。幾ら恋い慕っていても、香花は光王についてはゆけない。
「ま、言うほど容易くはないだろうがな」
香花は微笑んだ。
「あなたなら、きっとできるわ。何しろ、あなたは〝光王〟なんだもの」
確かに口にするほど簡単なことではない。しかし、この男なら、やり遂げても不思議はないだろうと思う。これまででも不屈の意思の力で、不可能を可能に変えて生きてきた男、かつては〝天下の大盗賊〟と謳われ、闇の世界を牛耳っていた男だ。
今、光王は人生の中の一つの大きな転換期に来ているともいえる。
その一方で、香花は、光王の心の変化が嬉しくもあり、淋しくもあった。幾ら恋い慕っていても、香花は光王についてはゆけない。