月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第21章 月下にひらく花
あまりにも直截な言葉に、香花の眼に新たな涙が溢れる。
「―嬉しい、光王。私、今、とっても嬉しい」
「何だ、お前。器用な奴だな。泣きながら笑うだなて、一体どうやれば、できるんだ?」
光王がいつものように揶揄する口調でおどける。
「私は生まれつき、器用なのよ」
香花も負けずに言い返す。
「何でそんなにニヤニヤして嬉しそうなんだよ」
そう言った光王がいきなり香花の頬を両側から掴み、引っ張った。
「な、何するのよ。痛いじゃない」
香花が悲鳴を上げる。
光王は声を上げて笑いながら、香花を強く抱きしめてきた。
ふいに彼が笑いをおさめ、真顔になる。
互いの視線が引き寄せられるようにぶつかり、絡み合う。
「―嬉しい、光王。私、今、とっても嬉しい」
「何だ、お前。器用な奴だな。泣きながら笑うだなて、一体どうやれば、できるんだ?」
光王がいつものように揶揄する口調でおどける。
「私は生まれつき、器用なのよ」
香花も負けずに言い返す。
「何でそんなにニヤニヤして嬉しそうなんだよ」
そう言った光王がいきなり香花の頬を両側から掴み、引っ張った。
「な、何するのよ。痛いじゃない」
香花が悲鳴を上げる。
光王は声を上げて笑いながら、香花を強く抱きしめてきた。
ふいに彼が笑いをおさめ、真顔になる。
互いの視線が引き寄せられるようにぶつかり、絡み合う。