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月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】

第21章 月下にひらく花

 香花が片手を床について、ゆっくりと上半身を起こした。隠しているつもりなのか、空いた方の手は胸を覆っている。しかし、小柄で華奢な割に豊満な乳房は、小さな手には余って零れ落ちんばかりだ。
 香花は視線を動かし、光王を見つめた。
 月光に光王の均整の取れた身体が浮かび上がっている。
 美しい身体だった。月明かりの中でも、広い肩幅と盛り上がった胸の筋肉が判る。
 香花は無意識の中に腕を彼の方へと伸ばしていた。手のひらを彼の背中から、引き締まった腰回り、そして盛り上がった臀部へとすべらせる。
 光王の手が香花の手を握りしめ、彼女の身体はまた彼の逞しい両腕に閉じ込められていた。二人はもつれ合うようにしながら、再び床に倒れ込んでゆく。

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