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月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】

第21章 月下にひらく花

 彼女の隣に神妙な顔で並ぶ光王もまた晴れの衣裳を身に纏い、普段は無造作にひと括りにしている髪もきちんと髷にして、帽子を被っている。その様子は、もう、どこから見ても都の両班の若さまで通るだろう。元々の美貌が更に際立ち、村の女たちは若い娘たちから年輩の女房たちまで、皆うっとりと見蕩れる始末だ。
 固めの盃は、まず新夫である光王から次に新婦香花へと渡される。それを何通りか儀礼的に繰り返した後、香花が良人となった光王に拝礼を行い、更に、今度は光王が新妻に同様に二拝するのである。
 この晴れの日、新婦の脇に控え介添え役を務めるのは、新婦とは親しい隣家の朴夫人であった。朴夫人に手を取られ、自分に向かって拝礼を行う香花を光王が感慨深げに見つめている。

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