
月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第3章 陰謀
明善は静かな決意を秘めた声で呟くと、そっと膝から香花の身体を降ろした。
そのまま片隅に畳んであった夜具を敷き、先に横たわる。
「そなたには申し訳ないが、明け方まではここに居させて欲しい。良い加減に灯りを落とさないと、あの男に余計な疑念を抱かれてしまう」
香花は恐る恐る明善に近寄った。今夜はこのまま、布団の外で座り込んで夜を明かすつもりだ。それに、夜明けまでもう数時間もないだろうし、一晩くらい寝なくても平気だ。
と、いきなり手首を掴まれ、香花は強い力で布団に引き込まれる。
そのまま片隅に畳んであった夜具を敷き、先に横たわる。
「そなたには申し訳ないが、明け方まではここに居させて欲しい。良い加減に灯りを落とさないと、あの男に余計な疑念を抱かれてしまう」
香花は恐る恐る明善に近寄った。今夜はこのまま、布団の外で座り込んで夜を明かすつもりだ。それに、夜明けまでもう数時間もないだろうし、一晩くらい寝なくても平気だ。
と、いきなり手首を掴まれ、香花は強い力で布団に引き込まれる。
