月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第24章 交錯する想い
その四半刻後、香花は妙鈴の居室にいた。
―一体、何をしにきたのだ?
妙鈴の憮然とした顔には、はっきりと書いてある。
いつもなら、すぐにうつむいて引き返す香花だが、今日は違った。
「お義母(オモニ)上」
覚悟の色を宿した眼を向けた香花を、妙鈴はどこか警戒するような顔で見返してくる。一体、成り上がり者の小娘が何を言い出すのかと構えているのがありありと判る。
「私は光王の母などではない。ましてや、そなたのような下賤の者に母と呼ばれる憶えはないわ。それゆえ、今後、この私を母とは呼ぶな、穢らわしい。第一、私はそなたを我が家の嫁としては認めてはおらぬ」
刹那、香花の瞳が妙鈴を射るように見開かれた。
―一体、何をしにきたのだ?
妙鈴の憮然とした顔には、はっきりと書いてある。
いつもなら、すぐにうつむいて引き返す香花だが、今日は違った。
「お義母(オモニ)上」
覚悟の色を宿した眼を向けた香花を、妙鈴はどこか警戒するような顔で見返してくる。一体、成り上がり者の小娘が何を言い出すのかと構えているのがありありと判る。
「私は光王の母などではない。ましてや、そなたのような下賤の者に母と呼ばれる憶えはないわ。それゆえ、今後、この私を母とは呼ぶな、穢らわしい。第一、私はそなたを我が家の嫁としては認めてはおらぬ」
刹那、香花の瞳が妙鈴を射るように見開かれた。