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月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】

第24章 交錯する想い

「私と光王はちゃんと婚礼も挙げました。たくさんの村の人たちに祝福して認めて貰ったんです」
「フン、そのようなものがどうしたというのだ、庶民には庶民の暮らしがあり、その中での決め事があるように、両班の世界には両班の決まりやならわしがある。幾ら村人たちの前で婚礼を挙げたからとて、そのような結婚は所詮、かりそめのものにすぎぬ。賤しい者同士の決め事など、この世界では通用せぬと、そなたも仮にも成家の跡継の側妾であれば、よく心得ておくが良い」
「―そんな、酷い」
 香花の眼に大粒の涙が溢れた。だが、こんな人の前では絶対に涙を見せたくない。
 香花は滲んでくる涙を懸命に堪(こら)えた。
 それでは、この人は、あの婚礼が全く何の意味も持たないものだとでも言うのか!

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