月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第24章 交錯する想い
香花がむくれて言うと、光王は笑いながら幾度も頷いた。
「だな。殺しても死なないような人間ってのは、お前のような女をきっというんだぜ」
「―酷い」
香花は頬を膨らませ、光王を睨んだ。
「ホホウ、元気だけはいつもどおりあるようだから、さほど心配は要らないか?」
そのひと言で、彼女は光王が自分の気を引き立てるためにわざと軽口を叩いていたのに気付く。
いつもこうなのだ。香花が落ち込んだり沈んでいると、巧みに香花の気分を引き立ててくれる。
そう思うと、不覚にも涙が湧いてくる。
ひとたび溢れ出した涙は、どうしても止まらなかった。
急に泣き出した香花を前に、光王は形の良い双眸を見開いている。
「おい、どうしたんだ。俺が言ったことがそんなに辛かったか?」
「だな。殺しても死なないような人間ってのは、お前のような女をきっというんだぜ」
「―酷い」
香花は頬を膨らませ、光王を睨んだ。
「ホホウ、元気だけはいつもどおりあるようだから、さほど心配は要らないか?」
そのひと言で、彼女は光王が自分の気を引き立てるためにわざと軽口を叩いていたのに気付く。
いつもこうなのだ。香花が落ち込んだり沈んでいると、巧みに香花の気分を引き立ててくれる。
そう思うと、不覚にも涙が湧いてくる。
ひとたび溢れ出した涙は、どうしても止まらなかった。
急に泣き出した香花を前に、光王は形の良い双眸を見開いている。
「おい、どうしたんだ。俺が言ったことがそんなに辛かったか?」