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月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】

第25章 岐路(みち)

 女将が香花を案内したのは、座敷と呼ばれる建物だった。〝身体が温まるからね〟と出してくれた卵酒は美味しかった。温かい感触がするりと喉をすべり、身体中にじんわりとひろがってゆく。心までもがたった一杯の卵酒に温められた。

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