月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第25章 岐路(みち)
「何もあんたがあたしに謝るようなことじゃないだろう。それよりも、これからどうするんだい? 身重の身体で一体、どうやって一人で生きてくつもりなんだえ? やっぱり、光王に話した方が良いよ。あんたの腹の子は、光王の子でもあるんだ。あの男にも知る権利はあるはずだよ」
その言葉に、香花は過敏なまでに反応した。
「お願いです! 光王には何も言わないで下さい。お願いだから、あのひとには何も知らせないで下さい」
そのあまりの剣幕に、女将が眼を丸くした。
「どうして? まさか、赤ン坊が光王の種じゃないってことはないでしょ」
「違います!」
即座に否定した香花を見つめ、女将は悪戯っぽく肩を竦めた。
「ごめん、んなわけないよね。あんたは天地が真逆になっても、そんなことのできる娘じゃないもの」
その言葉に、香花は過敏なまでに反応した。
「お願いです! 光王には何も言わないで下さい。お願いだから、あのひとには何も知らせないで下さい」
そのあまりの剣幕に、女将が眼を丸くした。
「どうして? まさか、赤ン坊が光王の種じゃないってことはないでしょ」
「違います!」
即座に否定した香花を見つめ、女将は悪戯っぽく肩を竦めた。
「ごめん、んなわけないよね。あんたは天地が真逆になっても、そんなことのできる娘じゃないもの」