
月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第25章 岐路(みち)
「私があなたを嫌いになるはずなんかないじゃない。あなたが生きているから、私もまた、この世に生きているのよ。あなたを喪ったら、私はもう生きている意味がない。―それくらい、あなたを大切に思っているし、好きよ」
滅多にない直截な言葉に、かえって光王の方が当惑し、大いに照れた。
「だから―、黙って屋敷を出たの。私がいては、あなたが成家に根を下ろすのは難しいんじゃないかと思ったから」
初めて語られるその理由は、光王の心を鋭く衝いたようだった。
「お前―」
「でもね、あなたが傍にいろと言うのなら、私はずっと傍にいるわ。これからは、もうどんなことがあったとしても、あなたの傍を離れたりしない」
光王の逞しい腕が伸びてくる。自然に引き寄せられ、香花はその厚い胸に頭を預けた。
滅多にない直截な言葉に、かえって光王の方が当惑し、大いに照れた。
「だから―、黙って屋敷を出たの。私がいては、あなたが成家に根を下ろすのは難しいんじゃないかと思ったから」
初めて語られるその理由は、光王の心を鋭く衝いたようだった。
「お前―」
「でもね、あなたが傍にいろと言うのなら、私はずっと傍にいるわ。これからは、もうどんなことがあったとしても、あなたの傍を離れたりしない」
光王の逞しい腕が伸びてくる。自然に引き寄せられ、香花はその厚い胸に頭を預けた。
