月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第26章 都の春
「どうして、お前はそう何度も同じことを言わせるんだ? 耳許でいきなり大声を出すなと言ってるのに、何で判らないんだ」
と、香花がクスリと笑みを洩らした。
「何だ、何がおかしい?」
彼が訝しげに見返すのに、香花は悪戯っぽく微笑む。
「光王って、お義母上に似てるわね」
「俺のどこが?」
光王は心外だと言わんばかりの表情である。
「あんな血も涙もない冷血女のどこに似てるんだよ?」
香花は笑いながら言った。
「態度はぶっきらぼうで誤解されやすいけれど、本当は見かけより優しいってこと」
「何だよ、それ」
光王は子どものようにむくれていたが、やがて、我慢し切れないとでも言いたげにフッと笑った。
と、香花がクスリと笑みを洩らした。
「何だ、何がおかしい?」
彼が訝しげに見返すのに、香花は悪戯っぽく微笑む。
「光王って、お義母上に似てるわね」
「俺のどこが?」
光王は心外だと言わんばかりの表情である。
「あんな血も涙もない冷血女のどこに似てるんだよ?」
香花は笑いながら言った。
「態度はぶっきらぼうで誤解されやすいけれど、本当は見かけより優しいってこと」
「何だよ、それ」
光王は子どものようにむくれていたが、やがて、我慢し切れないとでも言いたげにフッと笑った。