月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第26章 都の春
改めて顔を見合わせて笑い合った後、香花がふいに声を上げた。
「あ、動いた」
初めての胎動であった。初産の妊婦の場合、大抵、妊娠五、六ヵ月目になると、胎内の赤児の動きを自覚するようになるのだ。
ポンポン、まだ小さな赤ン坊は遠慮するように、小さく腹壁を蹴る。
「触らせてくれるか?」
おずおずと伸ばした手が香花の丸いお腹にそっと乗った。
「あれ、何もないぞ? おい、俺はお前の親父だぞ。判ったのなら、ちゃんと返事をしろ」
お腹に向かって話しかけるように言うと、しばらくして光王の眼が輝いた。
「おっ、本当だ。動いたぞ。偉い、偉いぞ。お前は生まれる前から天才だ!」
早くも親馬鹿ぶりを盛大に発揮している。
「あ、動いた」
初めての胎動であった。初産の妊婦の場合、大抵、妊娠五、六ヵ月目になると、胎内の赤児の動きを自覚するようになるのだ。
ポンポン、まだ小さな赤ン坊は遠慮するように、小さく腹壁を蹴る。
「触らせてくれるか?」
おずおずと伸ばした手が香花の丸いお腹にそっと乗った。
「あれ、何もないぞ? おい、俺はお前の親父だぞ。判ったのなら、ちゃんと返事をしろ」
お腹に向かって話しかけるように言うと、しばらくして光王の眼が輝いた。
「おっ、本当だ。動いたぞ。偉い、偉いぞ。お前は生まれる前から天才だ!」
早くも親馬鹿ぶりを盛大に発揮している。