掲示板

みんなで掌編小説を投稿しよう!

誰でも参加自由。小説ジャンルも自由。

1レス(500文字以内)で完結する掌編小説を投稿してください。掲示板ジャンルを【宣伝】にしたのは、レスに短い小説を投稿することで、

「この人、こんな感じの小説書くんだな。もっと他の作品も見てみたいな」

という感じで、ここに小説を載せることが間接的にその人にとっての宣伝になってくれればいいな、という思いで選びました(なので、宣伝だけ書くというのはご遠慮ください。あくまでも小説を投稿してください)

掌編小説というのは、200文字~800文字で完結する超短い小説をさします。掌編小説の文字数規定でいえば800文字までなのですが、ここの掲示板のコメント文字数制限が500文字までなので、かなり短くなりますが、500文字以内の小説を書いてください。

楽しい作品がたくさん投稿されることを願って…

スタート!!


25 【バス】

市内から少し離れた、山手側のふもとに住む会社の同僚の家に、 わざわざトイレを借りに行った俺。しょうがないよな、自宅の便器が割れたんだから。

他に仲のいい知ったやつもいないし、新婚新築のやつのトイレは綺麗で尻洗浄もある。厚かましく晩飯もご馳走になった俺は、同僚夫婦の冷たい見送りを受けながら、バス停に向かった。

最終は九時半。予定よりなぜか十分早く来た。俺は、早速乗り込んだ。客は、俺一人。

街灯の少ない山道をひたすら走る。もちろん、誰も乗ってこない。窓を見ると、鏡のように俺の顔と白い顔の女性が映る。

「っ!!」

振り返るが、誰もいない。よく見たら車内のポスターだ。

もうすぐ、町の駅前のバス停に着く頃だと、俺は赤いボタンを押した。

バスは走り続ける。だが、町には着かない。ずっと真っ暗な道を走るばかりだ。

バスは雑木林の中に入って行く。さすがにおかしい。

「おい、止まれ!」と運転席までいくと、そこに運転手はいなかった。

だが、前を見て俺は、戦慄を覚えた。


外には、運転手の首吊り死体があった。

すると、どこからか声がした。

「350円いただきます」



26 【じゃん・けん・ぽん!!】~怖い話バージョン~

何気なくじゃんけんをした。

「じゃん・けん・ぽん!!」

私はグー、相手はチョキ。

「やった! 勝った!」

ほんの少しの優越感を胸に、私は鏡の前を去った。

――おわり――
27 【それ、『究極の選択』か?】

 ――ある中学生男子二人の会話。

「なぁなぁ」
「んだよ」

「町に彗星が落ちてくるのと、
 ゾンビが襲ってくるの、
 どっちがいい?」

「……あのさ、そのゾンビって何体?」
「1体」
「それ、倒せるの?」
「うん」
「じゃあ俺、ゾンビがいい」
「だよな」

 ―おしまい―
28 【朱色】

「つまりさ、好きな人と一番触れ合えるのは冬だと思うわけ」
唐突に始まった話に、私は首を傾げた。
「はぁ?」
そう思わない? と嘯く彼は涼しげな目元で微笑んでいて。
思わず見惚れたのを隠すように、私は窓の外を見る。傾きかけた夏の太陽が目に眩しい。
「無駄話はいいからほら、問題解く」
「厳しい」
彼はシャーペンを握り直し、ノートに向き直る。
「冬はマフラー貸したりとか、ポケットにどうぞとかできんじゃん?」
話しながらも手は動いていて、だから今度は文句も言えず言葉を返した。
「少女漫画の読みすぎじゃないの」
「女子はそういうの好きだろ」
「それなら梅雨は相合傘ができるわね」
なるほど、と頷かれても困るんだけど。
「じゃあ春と秋は?」
「……花見と月見に誘うとか」
「……」
せめてなんか言ってよ。
適当すぎた発言を恥じていると、彼はじゃあさ、と顔を上げて私を見た。
「明日、花火大会行かね?」
え?
戸惑う私に彼は続ける。
「季節の行事に誘えってことかと」
そう、だけど。
「今のは好きな人と過ごす話でしょ?」
「だからだよ」

夏の夕暮れと私と彼と。誰の頬がより朱い?
29 【リセットボタン】

人生、やり直したいと思ったことはありませんか?このボタンで失敗前まで時間を巻き戻せます。リセットボタン。

怪しい謳い文句が書かれたそれは。四角い銀色の板に赤い丸いボタンがついていた。

「もっとしっかり○○しとけばよかった」
「もっと……もっと……」

時間を巻き戻せたら、次はちゃんと頑張るのに。
僕は、そのボタンを押した。

ーーー
ーーー

「ほぎゃあ、ほぎゃあ」
「おめでとうございます、元気な男の子ですよ」

ーーー
ーーー

彼は全ての記憶も何もかも捨てて赤ちゃんに戻った。

やがて成長し、しかし以前と同じ失敗を繰り返し、またあのボタンに出会い、そしてまたボタンを押す。

本当は時間など巻き戻さなくても、いつからでも、思い立った時からやり直すことは出来るのに、ボタンを押す彼は、永遠に同じ時の中を回り続ける…。

何度も、何度も、そこから抜け出せずに戻り続ける…。
30 【ことば】

「愛してる」
いきなり聞こえた声に、私は顔を上げた。
上目遣いの眼差し。えくぼを刻んだ左頬。
驚く私を見上げて、その笑みは深くなる。
揶揄われたんだと悟ったら、つい言葉が強くなった。
「気味の悪いこと言うなよ」
唇を尖らせて言うと、彼が目を瞬いた。
健康的に日に焼けた肌が白くなる。声をなくした彼に、私はかける言葉を間違えたと後悔する。
颯爽と風が吹いて、枯れ葉が渦のように舞った。
しばらくそのまま、二人とも何も言わなかった。

凄まじい轟音と共に電車が到着し、その沈黙は破られる。
制服の裾を軽くはたいて、彼は手をあげた。
「それじゃ、また」
沢山の人がホームに降り立ち、代わりにほんの数人が乗り込む。チョコレート色の髪の彼も……。
突き動かされるように、私の足は動いていた。
手品のように閉まる扉の前で、彼が驚きを隠せないまま私を見上げる。
「特別快速だよ、これ」
「なんだっていいよ」
にぃっと笑って、私は応える。温い風が肌に当たり、もうヒーターが入っているんだなと頭の片隅で思う。
「ね、さっきの言葉、もう一回言ってよ」
覗き込むように身をかがめ、私は彼の口が開くのを待った。
31 【アンサー】

はっとするほど深い色の瞳に魅入られて、僕は瞬きを繰り返す。
「人がいるから、嫌だ」
不思議なことに、僕のそっけない返事を聞いても彼は目を逸さなかった。
「返事を間違えたな、と思ってさ」
微笑みながらそんなことを言うから、僕の頬は熱くなる。
まさか、さっきの告白が冗談ではないことを知られてしまったのだろうか。
水のペットボトルを取り出して口をつける。無理やりに、平静を装う。
目を合わせたら心を読まれそうだからと、あえて窓の外を向いた。
もう一度言うなんてそんなこと、できない。やっぱりさっきもやめておけばよかった。
緩やかな音を立てて電車は進む。ようやく町並みが変わり始める。
ランドセルを背負った女の子を窓の外に見つけた。リュックの方がいいなんて意見もあるけど、僕はランドセルが好きだ。瑠璃色のそれはとても綺麗で、好きな色を選べることがほんの少し羨ましい。
連続して飛んでいく駅のホームに、大丈夫なのかとつい顔を上げたら目が合った。
蝋燭の芯に炎を灯すように、彼が身をかがめて僕に囁く。
「私も、愛しているよ」
32 【夜型勇者】

『……者……勇者よ……』

 どこからか声がする。

『……勇者よ……起きるのです……』

 勇者?
 俺のことか?

『そうです……あなたのことですよ、ヒロシ』

 マジか!?
 なんで俺の名前っ……
 あんた誰なんだ?

『私は天空の神です。勇者ヒロシにお願いがあります。魔王を倒してほしいのです』

 え……マジ?
 あ~っと、それ今じゃなきゃだめ?

『……どういうことですか?』

 あのさ、俺朝が弱いのよ。
 今、朝の7時だろ?
 出発は夕方くらいでいい?

『構いませんが……』

 さんきゅー。
 んじゃ俺、もう一回寝るわ。


 《ふりだしにもどる》


33 【お気に入りを目指して】

 ひとりの勇者がいた。
 勇猛果敢でどんな敵にも怯まず、身体中に傷を負いながらも、必ず最後には勝利をおさめていた。
 勇者は国の中で厚遇され、その生活も豊かなものだった。そんな勇者に目をつけた女がいた。
 勇者の人となりはもちろん、その生活に、女は目をつけていた。勇者に気に入られて結婚することができれば、夢のような毎日が送れる・・・・・・。そんな思いで、女は自らを変えた。綺麗な服を買い、芳しい香水をつけ、華やかな化粧を施した。そのために多くのお金を費やした。
 そしていよいよ勇者に近づこうとした。しかし勇者の姿はなかった。なんでも、戦争に行ってしまったらしい。毒ガスを使う厄介な相手で、いつ戻るかわからないということだった。しかし女は諦めなかった。今いないなら、戻るまで待てばいい。待つ間、女は、ほかのどんな男に言い寄られても、勇者との生活を夢見て、その一切を断り続けていた。また、自分よりも美しい女には嫌がらせをして、出しゃばらせないようにしていた。

 その頃、勇者は大きな痛手を受けていた。敵の毒ガスによって、視力を永遠に失ってしまっていたのだった。
34 【妄想が止まらない】

腰まで伸びる、長い黒髪の女。
顔は髪で隠れていて全く見えない。
常にうつむき、ゾンビのように歩く。

その女は誰なのかって?

俺もわからない。
気づけばその女のことを考えてしまう。
食事をするときも、風呂に入る時も。
そして妄想するのだ。

深夜、女が歩いている。
街灯はチカチカと点滅し、女の姿を不気味に照らす。

女はとあるアパートに辿り着く。
ギシギシと音を立てながら、一段一段ゆっくりと上る。そして二階の廊下を歩き、ある部屋の前で立ち止まると……

「ああっ、一体何を妄想してるんだ、俺はっ…」

俺はワシャワシャと髪を掻き回した。
そんな不気味な女が自分の部屋に来られても困るのに……妄想が止まらない。

「もう、寝よう……」

俺は布団に潜り込み、目を閉じた。







『……やっと会えたね』

耳元で女の囁きが響いた。


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