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短編集

第12章 『境界線の爺さん』

「こっから先はワシの土地ぢゃあ!」

爺さんがわめいている。

隕石が落ちて、気候はおかしくなり、地震と津波が起きて、地面はすっかりのっぺらぼう。

その上、雷鳴が轟いている。

爺さんが、杖で地面に線を引く。

「こっから先は、ワシの土地なんぢゃ~!」

私は黙って聞いている。

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