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短編集

第4章 北斗の男

「北斗の男」

お前はもう死んでいる。
…そうです。
俺、アレできるんです。
なんでって言われても困るけど、できちゃうんです。
できちゃうて言うか、やっちゃうんです。
勝手に体が動くっていうか。
ほあたぁっ!
あっ、ごめんなさい。
ハエが飛んでました。
拳が速くて見えない?
そりゃそうでしょうよ。
俺にも見えないんだから。一子相伝?
ええ、知ってますけど、よくわかんないです。
親父は農協の職員で、田舎のおっさんですから。
よくわかんないです。
あたぁ!
ごめんなさい。
ハエでした。
多いですね。
あんまり近付かない方がいいと思いますよ?
なんかたまに闘気がでちゃうんですよ。
ふっとびますよ。
まじで。
嫌なんですよ。
話しているときに突然、ふっとばれたり、顔が歪んだりするのを見るの。
グロいんですもん。
まじで。

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