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短編集

第8章 『探偵日和~今時な依頼~』

「はてさて、探すっつってもね、ノミ平さん。何かヒントはないの?例えば他に男が出来たとか…」

「いきなり核心に入るなよ!うちのはそんな軽い女房じゃねえよ!もちっとオブラートに包んでくれよ」


「いや、包んでもいいけど、潰れるんじゃない?」

「例えだよ!めんどくせえな!」

「じゃあなんかヒントちょうだいよ?蚤はもともと軽いと思うけど、それは言わないから。」

「いちいち燗に障る奴だぜ、まったく。今朝起きたらいなくなってたんだよ!」

「へー。どこ行ったか心当たりはないの?」

「探したさ。ネコの首輪の裏側も、イヌの肉球の間も、おっさんの股ぐらも…」

「…いい趣味とは言えませんね…まあイヌの肉球はちょっとクサいい臭いではまりますけど…」

「ほっとけや!でも心当たりは探したんだよ!」

ノミ平は今にも泣き出しそうだ。

まさに蚤の心臓!

これが言いたかったのかって?

ほっといてや!

しかし、「ほっといて」は関西弁だろうか…。

関西以外の人に意味がわかってもらえるのだろうか?
まあ、どーでもいいや。

ほっとこ。

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