テキストサイズ

短編集

第8章 『探偵日和~今時な依頼~』

百目は、そりゃもう、ぐりぐり、うりうり探した。

棚の上から、こたつ布団の下から、七味唐辛子の瓶の中から、冷蔵庫の裏から掃除機のパイプの隙間から、百目秘蔵のコスプレ大全集DVDケースの中から、この話の終わりまで、しっかり探した。

だけど蚤のカーは見つからなかった。

話の終わりも見つからなかった。

無茶苦茶書いてる短編集の方が真面目に書いてるどらくえより読んでくれる人が多いほど不思議だった。

ん~、それほど不思議でもないか。

世の中、結構変わった人が多いってことだな、うん。

ってことでノミ平の悩みもそれほど大層な悩みでもなかった。

しょせん、蚤。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ