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短編集

第8章 『探偵日和~今時な依頼~』

「すまんがのぉ、百目さんや、そろそろ寿命が来たようじゃ」

「あ、ノミ平さん?もう死ぬの?江戸っこからじじいになったけど!江戸っこて関西弁使うのかしらん!」

「どうでもよいじゃろ!それはそうと、わしが死んだら婆さんに宜しくな…ガクッ」


「ええっ?もう死んだの?婆さんて誰?カーさんのこと?…婆さんなのにカーさん…ぷぷっ」

静かになった。

百目は、ふっと息を吐いてノミ平の体を吹き飛ばす。
かる~い蚤の体はどこかへ行ってしまった。

百目はポンッポンッポンッと目玉を抜いて氷水に浸す。

「ああ、少し目を使ったらきついわ。100個も目玉があると冷やすにも一苦労。…あ、ちくしょう。ボールに虫が浮いてる。」


百目はそう言って、浮いていた虫をつまんで床に捨てた。


蚤のカーさんだったかどうか、それは神ノミぞ知る。



おしまい。



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